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『石門心学風土記80~~先哲・石田梅岩の教えを受け継ぐ講舎を訪ねて~』「あとがき」より

  • 執筆者の写真: 大和商業研究所
    大和商業研究所
  • 4月22日
  • 読了時間: 4分

あとがき

『石門心学風土記』を書き始めた契機・目的などは「まえがき」や前頁の「発刊に当って」に書きました。この「あとがき」では、一.私の石田梅岩先生・石門心学への入門の契機、二.訪ねた心学舎のうちの幾つか、三.今後の活動(今とこれからに生かすために)を述べます。


一.小売業の三大革新を知り生涯テーマ「石田梅岩」に至る

拙著『先哲・石田梅岩の世界~神天の祈りと日常実践~』(新風書房、三四~三五頁)より引用します。

小栗了雲師の病が重くなり、自ら最期を迎えようとすることがわかったのでしょう。自身が注釈を加えた書物類を先生に与えようとしましたが、先生は「ほしくありません」と言いました。師が「どうしていらないのだ?」と訊ねたところ、先生は「私自身が人に伝えるときが来たら、自分が考えた独自の言葉で述べます(われ事にあたらば新たに述べるなり)」と応えました。了雲師はそれを大変褒め称えました。(『石田先生事蹟』清水意訳)

【解説】注を加えた貴重な書を与えるということは、後継者指名そのものです。それに応える先生のこの真言は「独立宣言」です。

 私は三十代中頃、流通を営む会社で中期計画を担当した際に、将来予測のために商業史を紐解いたことで、日本が起こした世界に誇るべき三つの革新を発見し人生が変わりました。その三つとは、三井高利の越後屋創業(販売の革新)、石田梅岩先生の石門心学の創始(経営理念の革新)、イトーヨーカ堂のセブン‐イレブン経営(情報の革新)、です。そのうちの梅岩先生に学びその訓えを広めたいと、生涯のテーマを定めました。

 以上の通り、爾来、四十年後の今日に至るまで、石田梅岩先生・石門心学の広布への思いを途切らせたことはありません。

 

二.全国の心学舎を訪ねての特筆舎

『石門心学風土記』第一回の寄稿は二〇一六年十二月の山形県鶴岡市の『鶴鳴舎』でしたが、そこへの訪問は同年九月三十日から十月一日。当時の日記には「鶴岡市郷土資料館で前田光彦先生が待っていて下さる。貴重な資料を拝見し、撮影もできた」とあります。

その後、七九回の風土記を綴ってきましたが、全ての訪問が忘れ難く印象深いものでした。その中から幾つかを抜粋し、ここに記載します。

東日本では恭倹舎(埼玉県杉戸町、18頁)、時中舎(長野県富士見町、35頁)。両舎は現在まで毎年、地域の人々が集い祭祀を行っています。私はここを複数回訪れましたが、時を超えて心学の波動が伝わってきます。

梅岩先生の地元、京阪地区においては、現在でも活動拠点は多数ありますが、鳥辺山(京都市、梅岩先生と門弟十七名の墓、50頁)と明誠舎(大阪市、62頁)を挙げます。鳥辺山は石門心学の聖地で今も墓参者が絶えません。明誠舎は開講二四〇年になりますが、学びの環境を間断なく維持し続けて今に至っています。梅岩先生が京都市中に掲げた掛け行灯(写真参照)を所有しているのも貴重です。

 西日本では、日章舎と吉田松陰(山口県・萩市、87頁・88頁)、根心舎(徳島県つるぎ町、89頁)。日章舎の場所は古図にも記載されています。松陰の石門心学への傾倒ぶりは明らかで、親族への手紙にてその教えを学ぶよう、度々心情を綴っています。根心舎は屈指の高さの由来碑が建てられており、郷土史家の記録が残り、阿波商人の心学精神への顕彰ぶりが今も健在です。

 以上、数舎を紹介しましたが、各地域に残る心学の伝統は健在です。それぞれの頁からそれを味わっていただければ幸いです。

 

三.今後の活動と謝辞

この『石門心学風土記八十』は、二〇一六年三月より毎月定例で開始した「松柏舎」(大阪市中央公会堂など)、二〇二十年四月より創始の「Web松柏舎」(ズーム)にて発表機会を頂戴したことも私の励みとなってきました。ご参加の皆様に敬意を表するとともに、SNSなどを通じて石門心学に関心を寄せてくださる人々にも篤く御礼申し上げます。

また、調査にご協力頂いた心学者のご子孫・ご係累の方々、各地域の情報提供を頂きました全ての皆様に、重ねて深く御礼を申し上げます。

今後の「風土記」は、現在活動中の心学者、経営者に光を当て、未来を開く石門心学を発信して参りたいと存じます。

最後に、殆ど全ての心学舎調査に同行してくれた妻・伸子に感謝の意を捧げます。 

 二〇二五年九月十五日       清水正博

写真は、松陰が講義を聞いたと伝わる奥田頼杖の『心学道之話』


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石田梅岩魂を現代に

このサイト「石田梅岩魂を現代に」は石田梅岩に関する情報を自分のビジネスに活用して頂くために大和商業研究所が提供しています。このホームページで梅岩の真髄に触れ、自身の中に有する潜在的な力を引き出していただくことが「梅岩力」の意味するところです。

「永続的に栄える」とは

石田梅岩先生の願いはただ一つ。

人も組織も永続的に栄えること。

その為には偉人・聖人に学べ

ということです。

先生の著書『都鄙問答』『斉家論』で、

その思いが各所に出てきます。

一例

「商人の道を知らざる者は、貪ることを勉めて家を亡ぼす。商人の道を知れば、欲心を離れて仁心を以って勉め道に合(かの)うて栄えるを学問の徳とす」

(都鄙問答)

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