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2017年8月28日(月)第5回「エートス梅岩力講座」~道二翁道話と斉家論~
■『道二翁道話』
◇初めて『道話』に挑戦。中澤道二の『道二翁道話』より、仲の悪い嫁が姑を殺そうとした話。
嫁の姑への行いが「孝」に変わったことにより、姑にも慈愛の気持ちが芽生え、短期間で犬猿の仲から、実の親子以上に相互に尊信し合う関係になる。
この話に出てくる道歌「雲晴れて後の光と思うなよ もとより空に有明の月」は、これを唱えることにより対人関係は目に見えて良好に向かうと、私の体験談を語った。
■斉家論
◇継続して読んでいる梅岩先生の著『斉家論』は八月で上巻が終了。
前回は、裕福な商人が伊勢神宮に参拝する際に尊大な態度をとり、御師(大夫)に諫められる話。この商人の手代は御師の言葉に恥じて、これこそ「実の宝勅」と感じ入り「善に化せられ、愚は変じて智に返り、奢りは変じて倹と成った」。伊勢神宮の御師の力量もさることながら、この手代の学び成長する姿も見逃せない。
尚、前回読んだところに出て来た「愚痴」を「不平不満を言うこと」と訳していたが、「愚かなこと、心の迷い」が正しい。
◇今月読んだ部分は、享保九(一七二四)年の江戸時代の大阪の最大ともういうべき大火。火元の名前から妙智焼けともいう。
梅岩先生四十歳の三月、たまたま大阪に来ていた。命からがらようやく逃げおおせて片町まで来て、茶屋で食べたしんこ餅が「二文のしんこを二文で売る」「天下泰平一統に治まる御代の徳なれや」と梅岩先生の感動が伝わってくる生々しい報告だ。
斉家論(上)は、梅岩先生還暦の回顧録とも言える趣きのある文章だ。原文の意味が解りにくいところもあるが、先生のテンポの良い筆致に、思わず吸い込まれそうになる。再来月から読み始める下巻が楽しみだ。📷1📷
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