top of page

我願うところ「四海皆兄弟」    『先哲・石田梅岩の世界』52 

執筆者の写真: 大和商業研究所大和商業研究所

更新日:2020年8月14日

【原文】天より生民を降(くだ)すなれば、万民ことごとく天の子なり。故に人は一箇の小天地なり。小天地ゆえ本私欲なきもの也。このゆえに、我が物は我が物、人の物は人の物。貸したる物はうけとり、借りたるものは返し。毛すじほども私なくありべかかりにするは正直なる所也。この正直行はるれば、世間一同に和合し、四海の中皆兄弟のごとし。我願う所は、人々ここに至らしめんため也。(斉家論)

【意訳】天が人々をこの世に与えられたわけですから、全ての民は天の子です。従って人は「一箇の小天地」と言えます。小天地ですから、本来、私欲などありません。このため、自分の物は自分の物、貸した物は受取り、借りた物は返す。ほんのわずかな私心もなくし、本来あるべき様に実践するのが正直というものです。この正直が行われれば、世間一同が相和し、世界中、皆兄弟のような関係になります。私の願いは、人々がここに至るように為すことです。

梅岩先生による独自の実践体系

【付記】先生は自らを儒者と称しました。正式な学門の機会に恵まれませんでしたが、四書五経より自由自在に取り出し講釈しました。

また先生の教えの基は、朱子学か陽明学かという論争がありますが、石門心学史研究家、石川謙先生は決定しがたいとの結論です。

梅岩先生は当時の日本の宗教・哲学を心の研(と)ぎ草として一理にまとめ、人々の心と行状を善の道に向かわしめました。

〔写真〕神武天皇陵(2020年5月1日撮影)


閲覧数:21回0件のコメント

最新記事

すべて表示

תגובות


石田梅岩魂を現代に

このサイト「石田梅岩魂を現代に」は石田梅岩に関する情報を自分のビジネスに活用して頂くために大和商業研究所が提供しています。このホームページで梅岩の真髄に触れ、自身の中に有する潜在的な力を引き出していただくことが「梅岩力」の意味するところです。

「永続的に栄える」とは

石田梅岩先生の願いはただ一つ。

人も組織も永続的に栄えること。

その為には偉人・聖人に学べ

ということです。

先生の著書『都鄙問答』『斉家論』で、

その思いが各所に出てきます。

一例

「商人の道を知らざる者は、貪ることを勉めて家を亡ぼす。商人の道を知れば、欲心を離れて仁心を以って勉め道に合(かの)うて栄えるを学問の徳とす」

(都鄙問答)

メールはこちらまで

yamato358*hotmail.co.jp
(*を@に変えてください)

  • Grey Facebook Icon
  • Grey Google+ Icon
  • Grey Instagram Icon

© 2023 by HARMONY. Proudly created with Wix.com

bottom of page