2014年8月10日、新風書房より刊行しました。その「あとがき」を掲げます。30代より1冊は石田梅岩に関する書籍を刊行したいと考え、30年にして達成できたものです。
順次、本書の後ろから掲載していきます。
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梅岩先生の著には『都鄙問答』『斉家論』、門弟による『石田先生事蹟』『石田先生語録』があります。以後、石門心学者達の膨大な刊行物があり、何をこれ以上付け加えることがありましょうか。
出版に関しする先生の思想は、望んで書物を作るのではない、「我に得たる所を述べるのみ」「徳を明らかにすることを工夫すること」と語っています。自分が感得することにより初めて聖人の心がわかる、その心を伝えるための、止むを得ざる上での出版と肚(はら)を決めていたのです。
その決心覚悟が私にあるかと、梅岩先生が今生きておられたら、問い詰められそうです。「約三十年前に発見した小売業三大革新の一つを何としてでも伝えたい」。了雲老師、梅岩先生、そして森信三先生、寺田一清先生の熱き情念に背中を押されて、今日を迎えました。
「我に得たる所」を「新たに述べる」気持ちは充満していますが、浅学菲才の身であり、意欲だけが空回りの状態です。世界が皆兄弟となるべく「神天の祈りと日常実践」を続けて参ります。
尚、本書では、梅岩先生の人となりを知るには前から、石門心学の理解を深めるには後ろからお読み頂くことをお勧めします。
刊行に際しまして、寺田一清先生には記載内容の独自性について数々のご助言を賜った上に、題字及び過分なる序文を頂戴致しました。新風書房の福山琢磨社長には数年前よりご指導を頂いており、この度の出稿に当たっても温かいご支援を受けました。また、石門心学関係者の方々にも多々ご教示を頂戴致しました。併せて心より御礼申し上げます。
(写真は寺田一清先生と参究会メンバー、2014年6月)

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