大和商業研究所5月9日2 分『先哲・石田梅岩の世界』50 行住坐臥(ぎょうじゅうざが)の主(あるじ)は何者か【意訳】いまここで見たり聞いたりする上での主人は誰ですか。行くものは何者か、住むものは何者か、座るものは何者か、寝るものは何者かと、急ぎ眼をつけて見る。このように、油断なく、何年もかけて徳を積みます。ついには見聞、覚知、行住、坐臥をなす主人を見つけることができます。これが自...
大和商業研究所3月14日2 分行状をもって導く『先哲・石田梅岩の世界50』【意訳】行藤氏(ゆきふじうじ)は質問しました。先生は門人を指導するのに、心を中心に教えられるのですか。先生は「そうではない。行い・実践をもって教えます」と答えました。 【原文】行藤氏問う。先生門人を教え導かるるは、心を専らとして教えらるるや。先生答えていわく、しからず行状(...
大和商業研究所2020年8月14日2 分天地開闢(かいびゃく)『先哲・石田梅岩の世界』51わが国の成り立ち 【意訳】学識に富んだ豪傑の人で、性理に明るい者が出られることを願っています。あなたも万物が一理であることを理解するならば、その時にこそ「神がその中に生まれ、国常立尊(くにとこたちのみこと)といわれます」ということを知り、天が与える楽しみを得て、真実の道に入...
大和商業研究所2020年6月30日2 分我願うところ「四海皆兄弟」 『先哲・石田梅岩の世界』52 【原文】天より生民を降(くだ)すなれば、万民ことごとく天の子なり。故に人は一箇の小天地なり。小天地ゆえ本私欲なきもの也。このゆえに、我が物は我が物、人の物は人の物。貸したる物はうけとり、借りたるものは返し。毛すじほども私なくありべかかりにするは正直なる所也。この正直行はるれ...
大和商業研究所2019年12月26日1 分高弟、手島堵庵(てしまとあん)三戒 『先哲・石田梅岩の世界』53【意訳】(手島堵庵は言いました)。私は少年の頃から、歳をとって隠居した後には、人に人たる道を説きたいという志を有していましたので、そのときになって人から私の行動を非難されないように、心がけてきたことがあります。それも、項目が多いと実行しにくいと思い、次の三つを戒めにしてきま...
大和商業研究所2019年10月21日2 分教えを広める心学者達 『先哲・石田梅岩の世界』54 手島堵庵は江戸に中沢道二(どうに)を派遣し、心学の影響力を広めました。 寛政の改革を牽引した老中・松平定信は、緊縮財政や風紀取り締まりのほか、佃島人足寄場の教諭方に心学者を据えました。また心学の功徳を評価し「此の道の流れて広し海の月」と詠みました。...
大和商業研究所2019年8月19日2 分現代の石田梅岩先生は森信三先生/倹約と知心を貫く『先哲・石田梅岩の世界』55森信三先生は、天王寺師範時代の昭和10年頃、読書会(斯道会)のテキストに『石田先生事蹟』を用い、その「解題」に次のように書いています。「一人の偉人の言行を録すること、この書の如く具(つぶ)さにして、しかも心いたれるものは容易に他に見るを得ないのである。」...
大和商業研究所2019年6月29日2 分『先哲・石田梅岩の世界』56 ロバート・ベラーなど恵書に残される梅岩先生の偉業戦後、ハーバード大学のロバート・ベラー教授は『日本近代化と宗教倫理』を著し、マックス・ウェーバーのプロテスタントの倫理性が西欧の近代化・資本主義の発展に寄与したという説を基に、日本においては石門心学を中心とする江戸期の宗教がプロテスタントの倫理性に代わる役割を担ったとの考察...
大和商業研究所2019年5月7日1 分参考文献及び推奨図書『先哲・石田梅岩の世界』より石門心学関係の推奨文献及び本書の引用図書を以下に記載しますので、参考に供してください。(著者、書名、出版社) ◇石田梅岩門弟『石田先生事蹟』清文堂出版(『石田梅岩全集』より) ◇石田梅岩『都鄙問答』岩波文庫、致知出版社 ◇石田梅岩『斉家論』清文堂出版(『石田梅岩全集』より)...
大和商業研究所2019年4月23日2 分『先哲・石田梅岩の世界』あとがき2014年8月10日、新風書房より刊行しました。その「あとがき」を掲げます。30代より1冊は石田梅岩に関する書籍を刊行したいと考え、30年にして達成できたものです。 順次、本書の後ろから掲載していきます。 **********************************...